妊活ストーリーは百人いれば、百通りの話があります。それと同じように、流産にも、それぞれ異なるストーリーがあり、それは私が経験した4回の流産ごとに異なります。
私が経験した4回の流産を語る実体験シリーズ。
前回の「初流産の体験談」に続き、今回は2回目の流産の体験談となります。
流産過程における、生々しい表現もあるので、そういうのが苦手な方は、お気をつけください。
関連記事 カウンセリングや、頻繁なエコー診断など、患者の心の不安を取り除く「愛護的ケア」を知っていますか?流産回避率を向上させるとされる統計データを「Tender loving care (TLC、愛護的ケア)が流産回避率(妊娠継続率)を向上させる」で詳しく解説しています。
私の妊娠・流産の履歴のおさらい
前章でも説明していますが、ここから読み始めた方用に、前提として、簡単に私の妊娠と流産履歴を簡単に説明しますね。
2016年 初の体外受精で第一子妊娠
2015年 妊娠中の経過も全く問題なく出産。ただし緊急帝王切開
2016年 計画外の自然妊娠(心拍確認前に初流産)
2016年 2回目の体外受精で妊娠(弱い心拍確認後に、2回目の流産)⇦今回はこの話
2017年 自然妊娠(弱い心拍確認後に、3回目の流産)
2018年 自然妊娠(心拍確認前に、4回目の流産)
2回目の体外受精で妊娠
第一子を、初の体外受精で授かり、出産しました。
2回目の体外受精は、日本からスペインへの引っ越しが決まっていたので、引っ越し前2ヶ月前に駆け込みで、体外受精を行いました。
この時の妊娠には、自信がありました。
前回、流産をしていますが、それは、前章の通り、出産から10ヶ月後、想定外の自然妊娠でした。
1回の流産は、その後、無事に出産している妊婦さんでもよく経験する話なので、私も、その1人だと思っていましたし、何よりも最初の子は、体外受精で無事に出産しています。妊娠中も、順調そのものでした。
自然妊娠は流産しましたが、今度は前回も成功した体外受精。そして、その時点で、約2年も若い卵子です。
妊娠判定日までは、不安でしたが、妊娠さえすれば、無事に産めると信じきっていました。
フライングテスト陽性だけど、薄い
翌日はクリニックでの妊娠判定日。
前日にフライングテストをしてしまいました。
結果は、陽性。
「良かった!」と思う反面、完全に出切っていない薄い線に不安を感じます。
そして迎えたクリニックでの妊娠判定日。
「おめでとうございます」と言われるものの、不安は拭いきれません。
心拍は聞こえたけれど、、、
私は、スペイン行きを控えていたので、日本のクリニックでの診察は、妊娠8週までです。
その直前の検診では、心拍が聞こえたのですが、弱い心拍です。
第一子の心拍を確認した時には、弾むような元気な心拍だったのに、音は聞こえるものの、弱々しく、遅いものです。
不安になり「大きさはどうですか?」と先生に聞くと、先生は少し唸り「質問されたので答えますが、小さめです」とのこと。
妊娠はしているものの、今後の経過が心配なまま、スペインへ旅立つことになってしまいました。
スペインの病院用に、英語で、これまでの経緯などを説明した診断書を書いてもらいました。
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スペインでエコー検診をしてもらえないストレス!
先に言ってしまいますが、この2回目の流産の経験は、スペインで関わった医師にバッドラックがあり、本当に嫌な思い出です。
「スペイン医療システム。公立病院利用なら出産も完全無料。でも無料の弊害が大きい」でスペインの医療制度を説明していますが、日本のように自由に病院を選ぶことができません。
それを補う為に、スペインにはプライベート保険があるのですが、すでに妊婦としてスペインに到着した私は、その保険に加入することができずに、あくまでも公的保険のみの利用となります。
みなさんのご想像の通り、スペインでは、引っ越し後の書類を進めるのに、すごく時間がかかり、いろんな事務所をたらい回しにされます。
事務所が同じビル内や敷地内なら良いのですが、田舎に引っ越したこともあり、別の関係事務所が車で30分。下手すると1時間の場所ということも。1つの書類を進めるのに、1日作業。そして、進めなければいけない書類が大量にあります。
スペイン到着後の最優先事項にしたかった妊娠検診ですが、結局、最初に見てもらえたのは、スペイン到着後の約2週間です。
成長が悪かった赤ちゃんの様子が気になっていたので、エコーを期待していたのですが、スペインでの妊婦の最初のステップは、助産婦との面談だけです。
最初のエコーは妊娠12週までありません。
日本での経過が問題なければ、妊娠12週エコーでも、そこまでストレスに感じなかったのかもしれませんが、私の中で嫌な予感がつきまとい、1日でも早くエコーで確認したい気持ちが強かったです。
急患に向かうものの、追い返される
12週を待てず、「少し出血があった」と伝えて11週頃に急患に向かいます。急患に向かう以外、診察をしてもらう方法がありませんでした。
その時に担当したスタッフが出血量を質問しますが、私は正直に「少し」と伝えてしまいました。
すると「そんな少しで診察することはできない。自分の妻も妊娠中だけど、そんなに気になるならプライベートクリニックでエコーしてもらえば良い」と医師までつないでもらえず、半ば怒られるようにして、何もしないまま家に返されてしまいます。
スタッフの態度は悪く、優しさのかけらもありません。優しさまでは求めませんが、せめて大人の人間らしい、普通の態度で接して欲しかった。
日本だったら、好きな時に、希望する病院で見てもらえるのに、会いたい時に会えない医師。そして、選べない病院のシステムに、本当に腹立たしく、イライラと夫に泣きながら怒っていました。
更に、結局は流産してしまった妊娠。ちょっとの出血なんて、なんてことないと追い返されてしまったけれど、あの時に診てもらえるだけの資格を持っていたはずと、また怒りがぶり返してしまいます。
ちなみに、急患は、本当に治療が必要な人以外は、追い返されることがあるようで、症状は大げさに言うのがコツなようです。ただ、スペインに到着したばかりの私には、そんな知恵もありませんでした、、、、。
やっとたどり着いたエコー検診
妊娠12週でのエコー検診。嫌な予感はしていましたが、この時に心拍は聞こえませんでした。
具体的にどの時点で心拍が停止してしまったのかは、最後の日本での検診から約1ヶ月空いているのでわかりません。
どこか、流産に対して、気持ちの準備をしていたところもあり、医師から流産を伝えられた時は、がっかりしたし、悲しかったけれど、涙ぐんでも、大泣きすることはありませんでした。
それから数日しても、急に「なんで流産を繰り返すのだろう?」「もう赤ちゃんを産むことはないのかも」と悲しくなったり、不安になり、涙ぐむことがありました。
スペインでの流産処置
流産診断を受けた翌日に、別の病欄へ流産処置に向かいます。
日本では、自然流産を待つか、掻破手術の選択肢がありますが、スペインでは一般的に薬を用います。アメリカなども、同じような方法が一般的なようです。
日本では許可が下りていない方法ですが、最近は薬を用いた方が、掻破手術よりも簡単かつ子宮内を傷つけないのでポジティブな面が多いのではと議論されているようです。
エコー診断で稽留流産を再確認後、医師によって、膣内に薬を投入。
24時間以内に、子宮の収縮が始まり、腹痛、出血と共に、子宮内の内容物が出るとのことでした。
帰り際には、大量の痛み止め、出血が多かった時用の止血剤を受け取り、帰宅しました。
検診時間は、エコー、薬投入、説明で約15分以内だったと思います。
最近のニュースでは、日本人女性が個人輸入で、インド製中絶薬を購入し利用したところ、出血したという事件がありました。
このような薬は、個人輸入で購入も可能なようですが、医師の指導なしでは、絶対に使用しない方が良いでしょう。特に、インド製とは怪しいですよね、、、。
スペインでも、決して薬局で販売されている薬ではなく、あくまでも医師から処方され、その場で使用される薬です。
それは、3時間後にやってきた
病院から帰宅の約3時間後に、体に違和感を感じ始めました。
出血に備えてナプキンをあてていましたが、軽い出血が始まります。
腰の辺りが重くなり、その痛みはだんだんと強くなります。「これは」と思い、トイレに座り待機します。
重い生理痛を何倍も強くしたような痛みがやってきます。ぎゅうっと絞り出すような痛み。
最初の自然流産のように、うなるような痛みで、大量の出血が始まります。前回と同じように、ゼリー状の血の塊が出た後に、つるっと胎嚢が出てきました。
今回は、ゴム手袋でトイレの中から、その塊を拾い上げました。
観察すると、潰れた小さな袋のようなものです。確か、3センチほどの大きさです。
その後も、血の塊を含む大量の出血が続き、なかなかトイレを離れることができませんでした。トイレにこもっていたのは、30分を超えるぐらいだと思います。
その後、少し、出血が治ってきてから、ベッドに移動しましたが、腰の痛み(子宮痛)は弱くなりながらも続きました。
股の間が出血で気持ち悪くなると、ナプキンを変えていました。おそらく、トイレにこもった後の2時間ぐらいは、まだナプキンを変えるために、トイレとベッドを頻繁に往復していたと思います。
胎嚢が出た後も、大きな血の塊が出て来たり、小さな破片のような血の塊が出たりが続いていました。
前回の流産と同じように、結局、軽い出血が約1週間ほど続きました。
流産後のメンタル
今回は、前回の流産でトイレに流してしまった赤ちゃんの破片に罪悪感を感じたので、庭に埋めることにしました。
以前の住まいはマンションでしたが、幸い、スペインでの住まいには庭があり、オリーブの木の下に埋めました。埋めた場所の前で、手を合わせました。
この点については、供養をしてあげているような気分になり、最初の流産に比べて、気持ちが楽です。
ただ、今回は体外受精だったし、大丈夫だと思っていた妊娠が流産となり、この頃から「不育症」の文字が頭をかすめるようになります。
周りの言葉に傷つく
悪気のない周りの言葉にも、流産を繰り返してナイーブな私の心には刺さりました。
妊娠を報告していた友達に流産したことをラインで伝えると「不育症の可能性もあるから、検査したら」というコメント。
悪気は全くないコメントなのですが、すでに不育症を心配している私は、他人に不育症について指摘されたことが、何となく心に刺さり、返事をすることが嫌になってしまいました。結局、その検査についてのコメントにはスルーしてしまいました。
逆に、さりげない心遣いを感じたのが「2回流産しても、検査とか、心配することないよ」というコメント。流産で悲しく、次の妊娠可能性が心配でたまらない時に、そういう言葉をかけてもらえたことは、少し心が和らぎました。
友人・知人の妊娠・出産報告が辛い
また、この頃から、他人の妊娠・出産報告に、素直に喜んであげられない自分を感じるようになりました。
Facebookで、大きなお腹の写真や、生まれたばかりの赤ちゃんの写真を見る度に、心に引っかかるものを感じます。
この辛さは、流産を繰り返すほど、辛さを増していくことになります。
おめでたい報告を喜んであげられない自分に罪悪感を感じたりもしますが、4回目の流産後には少し開き直り「どうせ、神様は願いを聞いてくれない。出産・妊娠報告に嫉妬して良いのだ!」という記事を書いています。
最初の流産と痛みを比較すると
4回の流産、全て痛みレベルが異なりますが、最初の流産が、血の量と痛み共に、一番辛かったです。
2回目の流産も、痛かったのですが、最初の流産は脂汗が出るレベルです。しかも、本当に出血量がすごかったのを覚えています。夜用のナプキンが1分もたたないうちに、真っ赤になる状態でした。
それに比べると、今回の流産は、血の量もそれなりにありますが、若干少なかったように覚えています。
大量にもらっていた痛み止めなどの薬は、結局、1つも使いませんでした。痛いながらも、我慢できるレベルでした。
まとめ
2回の流産をしましたが、この直後は、まだ不育症の検査は受けていません。
頭の中には「もしかして、不育症?」という心配もありましたが、第一子を問題なく出産していますし、たまたまの流産の不幸な偶然が続いたのだろうと、納得させるようにしていました。
ただ、この時、スペインの公的医療制度に、本当に苛立ち、泣かされたので、次の妊娠に備え、プライベート保険に加入しました。これで、自分の意思で、病院の検診を受けることも可能になります。
次回の妊娠は、スペインの公立病院だけではなく、私立クリニックでお世話になることになりました。次回のブログで「3回目の流産」を説明します。
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