Tender loving care (TLC、愛護的ケア)という言葉を、聞いたことがありますか?
投薬や手術など施術そのものではなく、精神的な支援に力を入れた治療方針のことです。
例えば、きめ細かいカンセリングや、検診回数を増やすことで、患者の精神的な不安を取り除く治療方針です。
この「TLC、愛護的ケア」は、流産回避率を改善する効果があることが、海外や厚労省班研究によって証明されています。つまりは、「TLC、愛護的ケア」によって、妊娠継続率を向上させます。
ここでは、具体的なデータによって「TLC、愛護的ケア」有無によって、具体的に何%の流産回避率へ向上するのか、具体的なデータと共に解説します。
妊娠中における「TLC・愛護的ケア」が効果的な方
妊娠した際「流産」を心配する方には、「TLC、愛護的ケア」が有効です。
具体的には、以下のような方は、妊娠した時点から、流産への不安が多くなっているので、「TLC、愛護的ケア」が有効と言えます。
- 流産経験者
- 不育症患者
- 長い妊活の末に、妊娠した方
- 高齢で妊娠した方
TLC・愛護的ケアによる流産回避率(%)
まずは、「TLC、愛護的ケア」有無による、流産回避率の違いを表した統計を紹介します。
参考:「不育症䛾診断と治療」慶應義塾大学医学部産婦人科 丸山哲夫
この統計は、不育症治療に従事する医師による医療関係者向けの資料に掲載されている統計です。執筆した医師が、複数の研究結果をまとめた統計となります。
「TLC、愛護的ケア」有の場合は、流産回避率(妊娠継続率)が大きく改善されていることが、わかります。
TLC・愛護的ケア有りによる流産回避の改善率
この統計を元に「TLC、愛護的ケア」有無による、改善割合を算出したのが、下記の表となります。
TLC有の流産回避率を、TLC無しの場合で割り算して改善率を計算しています。
以上の4つのデータは、各数字の拠り所となるデータの取得年と、統計元が異なるせいか、改善率に幅が有りますが、少なくとも37%(2011年のデータ)、多くて2倍以上(1984年、1922年のデータ)の改善率となります。
流産回避率データからわかること
この流産回避率データからわかるのは、TLC・愛護的ケアが、流産防止に効果的であることです。
また、裏を返せば「ストレスや不安」がいかに、妊娠に悪影響を与え、最悪ケースでは流産率を上げてしまうということです。
私もそうですが、流産経験がある方は、妊娠した時点から「また、流産するかも?」という不安が続いきます。
ストレスや不安が、妊娠に悪影響なことは、なんとなくわかっていても、このように具体的なデータをみると、ストレスの悪影響を確信します。
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具体的な妊娠時における「TLC・愛護的ケア」とは?
前述の通り、「TLC・愛護的ケア」では、心理・精神的なサポートを、丁寧な検診や、カウンセリングによって行います。
具体的には、下記2点が挙げられます。
- 妊娠中のエコー検査の数を増やす(1回/1〜2週)
- 妊娠中のカウンセリング
流産を経験した方にとっては、次のエコーまで「本当に赤ちゃんが無事だろうか?」という不安がつきまとっていると思います。
通常、心拍を確認した後は、月一回の検診になりますが、その検診間隔が短ければ、毎回のエコー付き検診の度に、妊娠の安心感は高まると思います。
また、話しやすい、質問しやすい医師。丁寧に説明してくれる医師の場合、安心感が増加します。
私の実体験でも、スペインの公的医療制度の関係により、私は妊娠初期に妊娠12週までエコーが受けられないと知った時は、本当にストレスでした。
また、この時の妊娠では、出会った医師やスタッフ全てにバッドラックがあり、泣くほど嫌な思いをしました。
このストレスが流産に影響したとは絶対でなくても、多少の原因はあるのではと思います。この辺りは「不育症の私が語る4回の流産、実体験(2回目の流産)」にて、詳しく書いています。
愛護的ケアに理解ある病院・医師を選ぶのが大切
妊娠時に流産への不安が高い方は、特に「TLC・愛護的ケア」が有効的です。流産改善率(妊娠継続率)を上げてくれる可能性があるからです。
ただ、個人的な希望で、全ての病院や医師が、検診回数を増やしてくれるとは限りません。
妊娠をした際に、このような愛護的ケアに協力的な病院・医師を早めに確保するのが重要となります。
妊娠中だけではなく、妊活中に病院や医師の態度に傷ついた経験はありませんか?
愛護的ケア以前に、そのような経験はストレスを増やすので、妊活や妊娠に悪影響を与える可能性もあるので、病院や医師が変更できるのなら、変更も検討に入れて良いと思います。
妊活専門クリニックなどに通っている場合、成果重視であるものの、冷たい医師の態度に傷つく話を良くブログなどで拝見します。
ただ、成果重視のクリニックですし、他の病院ではできない治療方法・方針などを行っているので、病院変更は難しいと思います。
その場合は、愛護ケアを目的に、別の病院と並行して通院するのも良いでしょう。
TLC・愛護的ケアに理解がある病院探しは難しい
「TLC・愛護的ケア」は治療方針であって、治療方法ではないので、実際に病院検索などで、探すのがとても難しくなっています。
実際に、通院者のレビューなどを参考にするしか、方法はありません。
今後、「TLC・愛護的ケア」に積極的な病院や医師情報があれば、記事に追加していきたいと思っています。
今回、データを参照させて頂いたレポートは「慶應義塾大学医学部産婦人科 丸山哲夫医師」によるものです。
この、丸山先生の診察を受けることができれば、「TLC・愛護的ケア」に理解が深そうですね。
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TCL・愛護的ケアに理解ある病院・医師を選ぶのが重要
第二子不育症により4回連続での流産をしています。
2回の流産を経験した後の妊娠では、妊娠したものの、検査薬で陽性を確認した時点から「また、流産するかも?」という不安が続いてしまいます。
ただ、この統計データを見た後は「ストレスと不安は大敵!」であることを確信したので、次回の妊娠ではストレスケアを最大に気をつけたいと思っています。
このストレスケアなどのTCL・愛護的ケアを行っていると思われるのが、不育症の治療で有名な青木医師です。
青木医師はブログでは、不妊症や不育症に悩んでいる女性の言葉を代弁し、励ましてくれるメッセージがたくさん詰まっています。
そのブログから、妊活を頑張れる心が安らぐ投稿をコピペで「最も多くの不育症患者を治療している青木医師ブログから「励まされる言葉」をピックアップ」にてまとめています。
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