妊活ストーリーは百人いれば、百通りの話があります。それと同じように、流産にも、それぞれ異なるストーリーがあり、それは私が経験した4回の流産ごとに異なります。
私が経験した4回の流産を語る実体験シリーズ。
前回の「初流産」「2回目の流産」「3回目の流産」に続き、今回は4回目の流産の体験談となります。
4回目の流産については、妊娠の時からライブでブログで綴っているので、詳しくは「4度目流産(リアル記録)」をご参照ください。
本記事では、4度目の流産の流れや、他の流産の時との痛みなどの違いを説明していきますね。
流産過程における、生々しい表現もあるので、そういうのが苦手な方は、お気をつけください。
関連記事 カウンセリングや、頻繁なエコー診断など、患者の心の不安を取り除く「愛護的ケア」を知っていますか?流産回避率を向上させるとされる統計データを「Tender loving care (TLC、愛護的ケア)が流産回避率(妊娠継続率)を向上させる」で詳しく解説しています。
私の妊娠・流産の履歴のおさらい
前章でも説明していますが、ここから読み始めた方用に、前提として、簡単に私の妊娠と流産履歴を簡単に説明しますね。
2016年 初の体外受精で第一子妊娠
2015年 妊娠中の経過も全く問題なく出産。ただし緊急帝王切開
2016年 計画外の自然妊娠(心拍確認前に初流産)
2016年 2回目の体外受精で妊娠(弱い心拍確認後に、2回目の流産)
2017年 自然妊娠(弱い心拍確認後に、3回目の流産)
2018年 自然妊娠(心拍確認前に、4回目の流産)⇦今回はこの話
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早期妊娠検査薬で薄い陽性
3度目の流産以降、旅行時期などを考慮して、避妊をし、しばらく妊活を行っていませんでした。
時期も良いだろうと、妊活開始2ヶ月で妊娠しました。
3回目流産をした妊娠もそうでしたら、割と妊活を始めると早く妊娠できるようです。この妊娠力は、少し勇気づけてくれます。
今回は、妊活を始めたら使用しようと、アマゾンで購入していた、超早期妊娠検査薬を使用。こちらの写真が実際に利用した検査薬パッケージです。
日本でも、海外製のペラペラ早期妊娠検査薬を使う方は多いようですが、尿中hCG25mlのタイプだと思います。
前章「3回目の流産」でも説明しましたが、尿中hCG25mlは、スペインでは早期ではなく、標準型となります。
このペラペラ早期妊娠検査薬は、スペインでも早期と言われる検出値であるhCG10mlのタイプです。なので、生理予定日の数日前から反応は出るはずのタイプです。
妊娠検査薬の薄い反応
私は、この検査薬を生理予定日前日から3日間、使用しました。
こちらが、実際の検査結果写真です。
3回目の流産時も、妊娠検査薬の薄い反応に心配になり、結局、流産してしまいました。なので、とても心配です。
妊娠検査薬を利用した初日は、もしかしたら蒸発線かもと、夫にも伝えずにいました。
生理予定日、線が濃くなることを期待していましたが、なんとなく濃くなったような気がするものの、相変わらず薄いです。
一応、この時点で、夫に妊娠可能性を報告します。
翌朝、再度検査をして、また薄いながらも陽性の線が出ていたので「ペラペラ妊娠検査薬の精度の問題があり、全部蒸発線かも」と思いながらも、一応、クリニックに向かいました。
3回目の流産後、今後の不育症治療方針として、妊娠確定からすぐにバイアスピリン等で治療することを伝えられています。
なので、蒸発線ではなく、妊娠の場合は1日でも早く治療を開始したいので、同日にクリニックに向かいました。
血液検査で妊娠検査
エコーで確認したところ、まだ胎嚢らしきものは見えませんが、ごく小さな袋が見えました。ただ、これだけでは、妊娠確定とも言えません。
そこで、血液検査で妊娠検査を行うことになりました。
血中のhCG値が5ml以上であれば、妊娠確定です。
同日に検査し、結果的にはhCG値が269.1mlで、妊娠確定です!
この値は、妊娠4週としては、とても良い値です。「妊娠初期(8週まで)血中と尿中のhCG分泌量比較。妊娠継続率」で説明していますが、この時期の血中hCG値は20-500mIU/mlとされています。
尿検査での妊娠検査薬が薄かったので、心配していましたが、血液中のhCG分泌量からみると、尿中もhCG50以上でもおかしくないはず。
hCG10ml以上で反応する妊娠検査薬なので、しっかり反応しても、良いはずなんですけどね、、、
「尿検査では反応が鈍いけれど、血液検査で安心の妊娠陽性!」ということで、この時は、結果を喜んでいました。
ちなみに、参考血中hCGと尿中hCGには、同日検査であっても差が出ます。「妊娠初期(8週まで)血中と尿中のhCG分泌量比較。妊娠継続率」にて分泌量を比較、妊娠継続率を説明しています。
高めの妊娠継続率に期待!
先ほどから頻繁に参照として「妊娠初期(8週まで)血中と尿中のhCG分泌量比較。妊娠継続率」を紹介していますが、こちらの表によると、血中hCG値からの私の妊娠継続率は、80%〜95%となります。
この値に、かなりポジティブな光を見出しました。
また、今回は、初めて不育症の投薬治療を行います。それも、妊娠継続の自信を与えてくれました。
排卵後16日目のhCG値と、妊娠が20週まで継続する可能性(20週まで流産しない可能性)
※こちらの統計は、はらメディカルクリニックからお借りしました。
不育症の投薬治療
妊娠確定(妊娠4週1日)から、ヘパリン注射、バイアスピリン、膣内への黄体ホルモン補給を開始しました。
「スペインの不育症治療に係る費用(日本の10分の1以下)」で説明していますが、スペインでの不育症薬代は、全て保険対象となり、しかも、その割引率がとても良いです。
ヘパリン注射、低用量アスピリンの摂取期間(全妊娠期間)での、薬代の合計は、約6000円。
ヘパリン注射は28日分で、保険適応後は、約5ユーロ(約650円)ほどです。
日本で不育症の薬治療をすると、最低でも薬代が月1万円ぐらいするそうですね。それを考えると、スペインでの不育症治療は、かなりお財布に優しいです。
育ちが悪い、つわりがない
意気揚々と不育症治療をしながらの妊婦生活に入ったのですが、妊娠発覚から1週間後の検診では、胎嚢は確認できたものの小さい。
薬治療もしているので「今度こそ大丈夫」と思っていたのに、早々に、出鼻をくじかれます。
しかも、つわりらしきものがほとんどなく、妊娠発覚時には胸が張り大きくなったような気がしたのですが、その胸も元の大きさに戻ったような。
妊娠6週5日でのエコーでも、胎嚢の中はからっぽで、大きさも小さく、心拍はもちろん確認できません。
来週、また検診と言われましたが、流産の可能性はかなり高くなっています。
妊娠6週5日での検診の翌日、軽い不正出血が始まります。この頃には、つわりや胸の張りなど、本当に全くなく、自分の体に妊娠を全く感じません。
まだ流産が確定したわけではありませんが、次回の検診まで奇跡を待ちながらも、頭の中は「流産だろう」と心の準備を始めました。
この頃、赤ちゃんの成長が遅くても、その後、無事に成長した実体験を検索しまくっていました。
そのまとめが「妊娠初期。成長が遅かったけど、無事に妊娠継続した実話のまとめ」の記事です。
現在、赤ちゃんの成長が遅くて不安な方には、希望を持たせてくれる体験談まとめと思います。
真っ赤な出血と腹痛
検診日前日、軽く続いていた不正出血(茶オリレベル)が、真っ赤な出血に変わります。鮮血の赤です。
生理の2日ほどの大量出血ではありませんが、生理初日程度の出血が続きます。
腹痛もあり、お腹が張って、自分の体の居心地が特に悪いのです。
過去の流産経験からも「あー、これから自然流産が始まるんだろうな」と思い、翌日の検診に向かいました。
検診時には、自然流産済みだった
そして迎えた検診日。
医師に昨日からの出血について伝え、流産した後、赤ちゃんの染色体検査を行いたい旨も伝えました。
そして向かったエコー。驚いたことに、すでに胎嚢がエコーから消えていて、完全自然流産していました!
過去の流産経験からは、かなりの腹痛と腰痛。そして、大量の出血と共に、胎嚢が排出されます。ゼリー状の血の塊もたくさん排出されます。
けれど、今回は軽い腹痛と腰痛はありましたが、出血量も、生理初日程度でしたし、胎嚢らしきものも全くありませんでした。
ゼリー状の血の塊は、大きな塊ではなく、ごくごく小さなものだけ。過去の流産での血の塊は、体に排出の感触が伝わるほどの、ブルッと大きな塊が出てきたものです。
過去の流産経験からも、意外な展開に唖然としてしまいました。
医師によると「胎嚢が小さすぎて、出たのがわからなかったのだろう」とのことでしたが、本当に、それらしき塊が全くありませんでした。
胎嚢が排出済みなので、赤ちゃんの染色体検査もできません。
子宮内に残っているかもしれない組織を削って、検査することも可能なようですが、子宮を傷つけるので、妊娠希望の場合は、おすすめしないとのことでした。
なので、染色体検査は諦めました。
シャワーをしていると出てきた胎嚢
自然流産が確認された翌日、シャワーをしていると、急にツルッと大きめなものが膣から落ちるのを感じ、慌てて手で受け止めます。
その物体を見た瞬間、すぐにわかりました。
昨日の検診では胎嚢はすでに排出済みとのことでしたが、出血の際にはそれらしき物体がなかったので、腑に落ちずにいました。
今回は、赤ちゃんの染色体検査を諦めたのですが、胎嚢が出てきたので、急いでシャワーから夫を呼びます。
夫は、病院に電話し、どのような手順で検査準備すれば良いか確認します。
その日が金曜日午後ということもあり、とりあえず月曜日まで、ホルマリンに胎嚢を保存し、月曜日に病院持参とのことでした。
その後、ホルマリンに保存された胎嚢は、病院を経て検査へ回されました。
出てきた胎嚢ですが、3回目の流産の時と比べると、かなり小さな袋で、ふっくらした感じがなく、潰れていました。
3回目の流産では、プルップルの胎嚢で、中も透けて見えたのですが、今回はグッチャリとしていて、大きさも2センチほどです。
前回は、袋の中を開けて赤ちゃんに対面しましたが、とても中に何かが入っているようには見えませんでした。そのまま、ホルマリンに保存しました。
胎嚢の染色体検査の結果
初めて、赤ちゃんの染色体検査を行いましが、結果は異常なしとのこと。
「異常がある方が、母体の染色体異常などを疑うので大変」と先生は言うのですが、私は、どこか心の中で染色体異常があった方が、今回の流産を納得できたので残念という気持ちがありました。
今回は、ヘパリン注射もして、今までにない準備での妊娠だったのに、流産してしまいました。
不育症の薬治療は、私の妊活の最後の砦だったのに、、、
今回の結果に異常があれば、赤ちゃんの染色体異常で、私が手を尽くせなかったことと諦められます。
異常なしの結果は、私の母体に原因であったことになります。しかし、その母体の原因は、不明です。
なんとも言えない、出口のない妊活・不育症治療に陥った気分です。
「不育症治療。「夫婦の染色体検査」するべきか?」の通り、夫婦の染色体検査についても考えることがありましたが、結果的には検査をしていません。
4回目流産後メンタル
流産慣れというか、流産が確定した時は「しょうがない」と思ってしまい、赤ちゃんを思い悲しむことはありませんでした。
悲しい気持ちはあります。でも、悲壮にくれる感じではなく、涙も出しませんでした。
流産の度に、悲しい気持ちよりも、不安な気持ちが増していきます。
ただ、今回の流産は「不育症治療もしたのに、、、」ということで、かなり落ち込みました。流産を繰り返して以来、初めて夫の激しく落ち込む姿もみました。
妊娠・出産報告に落ち込む
そんな中、周りでは、妊娠報告が続きます。
近所の子供の誕生日会で会った知人の妊娠報告、そして人伝いに聞く知人の妊娠報告に、私たち夫婦はひどく落ち込み、その誕生日会の最中、ずっと無口になってしまいました。
家に帰宅してから、夫と今回の妊娠がひどく落ち込ませることについて語り あいました。その時は、涙がたくさん出てきました。
今まで、封印していた辛い気持ちが、一気に出てきた感じです。
友人や知人の妊娠・出産報告だけではなく、妊婦さんを見るのも辛くなってきたのが、この流産後です。
小さな赤ちゃんを連れたバギーなども、赤ちゃんを見て可愛いと思う反面、羨ましく、そして辛いです。
Twitterに、こんなツイートをしたのも同時期です。同時に「どうせ、神様は願いを聞いてくれない。出産・妊娠報告に嫉妬して良いのだ!」という記事をエントリーし、書くことで心を癒していた時期でもあります。
Facebookは、最低限しか見たくない。不育症の私は、妊娠報告、出産報告、順調な妊娠経過、赤ちゃんとの生活写真を見るのが辛い。嫉妬や羨ましがって出産できる訳でもないし、心に無理してお祝いしても出産できる訳ではない。嫉妬してしまうのが本当の気持ち。 #不育症 #流産 #妊活 #SNS疲れ
— ララ (@LaLa_KunKun) 2018年5月21日
ポジティブになる必要はありませんが、せめてネガティブにならないようにしていても、「私が、また自分の赤ちゃんを腕に抱く日は来ないのでは」という不安の気持ちは、現在も繰り返しやってきて、私を苦しませます。
今後の妊活は、また妊娠すれば、今回の妊娠と同じく薬での治療で、新しい治療方法が追加されることはありません。
今は、もう妊娠の数で勝負するしかない状況ですが、私の年齢も気になるところです。今年で40歳になる私は、あと何回、妊娠できるのでしょうか???
まとめ
出口不明の不育症妊活。
現在、流産後の生理も2回来たので、また妊活に入りました。
先述の通り、とにかく妊娠の数で勝負するしかないのが現状です。
日本の不育症治療専門クリニックなどでは、スペインでは標準化されていないような不育症治療方法もあるようですね。
スペインでの標準的な不育症治療は、日本よりも格安なのは嬉しいのですが、標準以上に治療の手がないのが辛いところです。
日本で不育症治療を受けるとした場合、やはり高額な費用が気になるところです。現在は、不妊症だけではなく、不育症にも助成金を出す自治体も増えてきたようです。
「不育症「助成金制度」がある全国市町村リスト【2018年】」にて、その情報をまとめています。かなり手厚い助成金制度を整えている市町村もあります。
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