<妊娠中の薬物投与>妊娠週ごとの影響変化と危険度

妊娠中の薬摂取 危険度と影響

妊娠の可能性がある時期や、妊娠中に風邪などをひいてしまった場合、薬摂取ができるのかどうか心配だと思います。

「妊娠中に薬摂取」等で検索すると、様々な検索結果が出てきますが、私が検索した中で、一番信用でき、さらに知りたい情報が簡潔にまとめられている資料を見つけました。

医療従事者向けの専門誌「ドクターサロン」2012年3月号に掲載された、聖路加国際病院女性総合診療部医長さんによる「妊娠中の薬物投与」に関するインタビュー形式の記事です。

医療従事者向けの雑誌なので、読者は、おそらく医師、薬剤士、看護士などが想定されます。やや、一般患者からの視点からそれた、専門的な話などもあるので、記事の中から、重要ポイントを押さえつつ、私見を加えてまとめたのが本記事です。

具体的な週数や薬剤名など、医師による監修記事を元にしています

 

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<妊娠中の薬物投与>妊娠週ごとの影響変化と危険度

 

妊娠4週未満…胎児の器官形成未開始 心配少ない

母体薬剤投与の影響を受けた受精卵は、着床しなかったり、流産してしまったり、あるいは完全に修復されるかのいずれか。ただし、残留性のある薬剤の場合は要注意。

妊娠4~7週…「絶対過敏期」要注意!

胎児の体の原器が作られる器官形成期。奇形を起こすかどうかという意味では最も過敏性が高い。この時期には本人も妊娠しているこ とに気づいていないことも少なくない。

妊娠8~15週… 「相対過敏期」要注意!

胎児の重要な器官の形成は終わり、奇形を起こすという意味での感受性が低下する時期。一部では分化などが続いているため、奇形を 起こす心配がなくなるわけではない。

妊娠16週以降 注意

胎児発育の抑制、胎児の機能的発育への影響、子宮内胎児死亡、分娩直後の新生児の適応障害や離脱障害が問題となる。

妊娠の週数の数え方は、最終月経の開始日を起点(妊娠1週1日)として計算。

妊娠4週未満 比較的心配が少ない

最終月経から4週以内は、“all or none”の 時期と言われています。

何か異常が起これば流産してしまうか、着床すらしない。生まれてくる場合は、薬剤投与の影響は全くなく、普通に生まれてくるということが医学的に証明されているといいます。

従って、4週までの時期は、気がつかずに薬物摂取した場合も、比較的心配が少ない時期です。

妊娠4~7週…「絶対過敏期」摂取は要注意

赤ちゃんの内臓の原基が出来上がるのは、妊娠8週から9週ぐらいまです。その週数ぐらいまでには、臓器の基本的構造が、ほとんど出来上がっています。

この時期の薬剤摂取は、要注意期間です。

妊娠4週目あたりですと、まだ妊娠に気がついていない可能性があります。この時期に市販の薬を含め、薬物摂取の可能性がある場合は、一応、妊娠検査をしておくことがオススメです。

妊娠している場合、排卵日から12日後(妊娠3週半ば)頃から、早期妊娠検査薬を用いた妊娠検査が可能です。

早期妊娠検査薬には、海外製の小さいタイプのものもありますが、通常の妊娠検査薬として販売されているクリアブルーも、排卵後12日頃から反応が出るようで、フライング検査用の妊娠検査薬として口コミで広がっています。

クリアブリー2本入りは、アマゾンで600円ぐらいで購入可能です。

※画像をクリックすると、アマゾン説明ページに移動します。

 

妊娠8~15週… 「相対過敏期」摂取は要注意

臓器分化する時期。

胎児の奇形を心配する場合、この期間も、薬摂取に関して要注意したい期間。

つまり、妊娠4週から16週あたりまでは、胎児の奇形を心配する場合、特に薬摂取に関して気をつけたい期間です。

病院の診察を受診する場合は、必ず妊娠していることを伝える。そして、市販の薬の摂取に関しても注意するようにしてください。

妊娠16週以降 注意期間

胎児の奇形に関しては心配が少なくなる期間です。

ただし、この時期以降は、胎児毒性への心配がある時期ですので、同様に薬摂取に関しては慎重である必要があります。

特に、子宮収縮を起こすような薬には、気をつけてください。内科領域で使われることがある、胃潰瘍対策の薬ミソプロストール(製品名:サイトテック) が、その一例です。

妊娠中に注意が必要、ぜひとも避けたい薬剤

以下、妊娠中には絶対に避けたい薬剤のリストです。

  • 抗菌薬・抗ウイルス剤  ─リバビリン、キニーネ
  • 抗高脂血症薬  ─プラバスタチン、シンバスタチンなど
  • 抗がん剤
  • 麻薬
  • 睡眠薬  ─フルラゼパム、トリアゾラムなど
  • 抗潰瘍薬  ─ミソプロストール
  • 抗凝固薬  ─ワーファリン
  • ホルモン剤  ─ダナゾール、女性ホルモン
  • ワクチン類  ─麻疹ワクチン、おたふくかぜワクチン、 風疹ワクチンなど
  • その他  ─エルゴメトリン、ビタミンAなど

 

・市販薬の場合でも、解熱剤、鎮痛剤など、湿布剤でもインドメタシンが入っているものには要注意。

NSAIDsは胎児に対する毒性がいわれています。NSAIDsは、胎児の動脈管といわれる血管を収縮させてしまって胎児心不全を起こしたり、あるいは、尿量を減らして羊水過少を起 こしたりすることがあるので、鎮痛剤、解熱剤も注意。

・内科領域で使われる ことがある、胃潰瘍に使われるミソプロストール(製品名:サイトテック) です。このお薬は強い子宮収縮を起こすので、妊婦さんには絶対禁忌。海外では流産させるために用いる薬剤

・サプリメントは、脂溶性のビタミンは妊婦さんには過剰になる可能性があります。サプリを摂取する場合は、妊婦専用サプリに限って摂取するのが望ましい。

 

妊婦専用サプリが大切な理由が、やっと理解できました

葉酸の恵み

妊娠中に、ひどい風邪をひいてしまったら?

ここまで説明すると、妊娠中に、薬は絶対に摂取してはいけないように思えるかもしれません。

心配しないでください。妊娠中に摂取しても、影響がないと言われている薬があります

ただ、万が一、赤ちゃんに何かあった場合、安全な薬を摂取していた場合でも「あの時の薬かも?」と疑心暗鬼に襲われる可能性があります。

なので、症状が軽いのであれば、薬なしでの自然治癒を目指すのが理想です。

ただし、症状が重く辛い場合や、医師の判断で投薬が必要とされた場合など、妊婦さんでも摂取できる薬もあることを覚えておいてくださいね。

 

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