スペインの妊娠・出産事情。出産するなら、スペインと日本、どちらを選ぶ?

妊娠と出産する場所を、スペインと日本のどちらで選ぶかとしたら「私は、妊娠と出産は日本でしたい」です。

日本とスペインでは、妊娠や出産への考え方や、医療システムが大きく異なります。ここでは、スペインと日本の出産メリットとデメリットを紹介します。

スペインに住んでいる以外の方でも、日本のシステムが世界共通ではないことを知るご参考までに。

日本の出産のメリット

医療設備は最新であり、検診頻度や、検診内容など、妊婦中の検診や出産対応など、手厚くカバーされていて快適かつ安心です。

毎回エコーは素晴らしい!

日本では検診ごとのエコーが当たり前なのですが、スペインの公立病院の場合は、妊娠期間中のエコーは妊娠初期、中期、後期の3回だけです。

私立病院利用の場合は、医師や病院によっては毎回エコーをしてくれるようですが、基本は、公立病院よりも2、3回多い程度だそうです。つまり、毎回のエコーが標準的な妊娠検診とされていないのです。

サイト管理人ララ
毎回の診察が楽しみな一番の理由「エコー」がないなんて!!!

日本を当たり前と思っていた私には、これを知った時は、かなりの衝撃でした。

ただし、スペインに限らず、これぐらいの頻度のエコーを標準としている先進国は多いようです。

逆に、日本は他の国に比べて、妊娠検診と出産において、かなり至れり尽せりの手厚い診察のように感じます。

入院期間もたっぷりで母になる準備

また、出産時の入院期間も、スペインは日本よりも少なめです。日本は、普通のお産なら5日間、帝王切開で1週間の入院です。スペインの場合は、普通のお産で2、3日で退院です。

私は、日本で帝王切開で出産し、1週間の入院をしました。その1週間は、初めて母となり慣れないオムツ替えや、母乳などをサポートしてもらい、とても助かりました。

もしかしたら身体的には、スペインの入院日数でちょうど良いのかもしれません。ただ、家事から離れ、初めての赤ちゃんのお世話を学び、初めて母になる準備期間として、ありがたい期間でした。

日本出産のデメリット

出産までに、お金がかかります

日本のデメリットは、市町村からの補助があるものの、日本では出産には保険がカバーされないために、自分の持ち出し分も、そこそこあります。

私の場合は、第一子を東京の病院で出産しましたが、区からの補助である約40万円を差し引いた後の支払い金額は、約15万円でした。

普段の診察では、同じく区からの補助券が使用できましたが、時にカバーできない検査や金額オーバーなどもありました。出産する病院にて、おそらく妊婦期間中は3〜5万円ほど持ち出したかと思います。

また、妊娠チェックなど、母子手帳をもらう前のクリニックでの検診は、区からの補助はありません。妊娠8週ぐらいまでに費やした金額は、出産する病院への紹介状代もあったので、2万円ぐらいでしょうか。

私の場合は、出産に関わる費用として、区の補助以外に実費で支払ったのは約20万円の計算となります。

スペイン出産のメリット

一方、スペインの公立医療制度は、全額無料での治療が受けられるので、妊娠中から出産まで、公立病院を利用すれば完全無料です。

参考スペインの医療システムを、日本人の私から見たメリットやデメリットを視点に「スペイン医療システム。公立病院利用なら完全無料。でも無料の弊害が大きい」で解説しています。

出生前診断も無料

35歳以上の妊婦の場合、妊娠プロセスの1つとして、自動的に出生前診断が組み込まれます

日本の場合は、生命を扱う倫理観により、出生前に間引きの選別を行うような「出生前診断」に対して奨励されていません。

私は、第一子出産の時に、日本で羊水検査をしましたが、私から担当医に相談するまで、出生前診断に対する案内は、1つもありませんでした。

サイト管理人ララ
羊水検査の費用は約8万円でした。これも、出産費用に加算すると、約30万円弱になりますね。

スペインに限らず、イギリスなど、出生前診断を妊婦検診プログラムの一部として取り込む国は多くなってきたようです。

日本は「出生前診断」に関して、かなり感情的です。それに対してスペインは、そういった感情的な面よりは、合理性を感じます。

薬代も安い

公立病院の医師から処方箋を受け取れば、薬代もかなり安くなります。割引率は日本の健康保険以上です。

私立病院の医師からは、薬代が割引になる処方箋を受け取ることができません。その場合は、市立病院の医師から指定があった薬を、公立病院の医師に伝え、処方箋を書いてもらいます。

妊婦の場合は「葉酸」も処方箋で受け取り可能で、30日分が約1ユーロ(約130円)です。

ただし私の場合は、私立病院の医師からの奨めもあって妊活・妊婦用に成分配合された葉酸メインのマルチバイタミンを摂取しています。

スペイン出産のデメリット

無料医療だからと言って、一概に良い面ばかりではありません。

公立病院の場合は、予約から診察までの待ち時間が長い、医師が指定できない、医療設備が古いなどの問題があります。

公立病院での手術待ちがスペインでも問題になっています。手術が必要にもかかわらず、その予約が5年後ということも。手術を待つ間に、亡くなってしまう方もいるようです。

サイト管理人ララ
必要な時に、必要な治療がすぐに受けられない点が、私にはストレス。

私立医療保険でデメリットをカバー

結局は、多くの人が私立医療保険に加入し、公立医療制度のデメリットをカバーするようにしています。

私立医療保険料は、毎月50ユーロ前後を支払っている人が多いのですが、妊娠中の検診や出産、入院費用も無料でカバーされます。

私立病院は、公立病院よりも設備が整っていることが多く、病室も、公立病院に比べて遥かに綺麗なようです。個室対応なども可能です。

サイト管理人ララ
私は途中から私立医療保険に加入しましたが、月々60ユーロは高いですが、加入していて安心です

エコー回数が少ない

先述の通り、妊娠検診の一番の楽しみであるエコーの機会が極端に少ないです。

私のように不育症である場合は、流産しそうということもあったので、公立病院でも毎回、エコーでチェックしてくれました。ただ、特に問題なく健康な場合は、本当にエコーは3回だけです。

毎回の検診ごとに、成長していく赤ちゃんを見る感動は大きいですよね。特に妊娠初期は、見えなかったものが見えるようになったり、心拍を初めて確認したりと感動が大きいものです。

スペインで最初のエコーは妊娠12週です。完全に胎芽や心拍が確認できる状態です。つまり、公立病院での検診は、無駄がないのです。合理的ではありますが、妊婦としては、成長を逐一フォローできないのは寂しいですよね。

不育症治療をするなら?

出産に関しては、日本を選びたいのですが、不育症治療を考えたら、絶対にスペインを選びます。

なぜなら、不育症治療にかかる薬代が、遥かに安く、日本の10分の1以下で済むからです。

サイト管理人ララ
お財布に優しいと、金銭的なプレッシャーが少なく、不育症治療もリラックスして継続できます。

不育症の場合は、医師の診察にかかる回数も自然と多くなり、検診費用もかさむでしょう。しかし、スペインなら検診費用が無料な点も、不育症治療の経済面で助けになります。

ただし、スペインの公立病院を利用した場合は、完全に無料になるものの、予約の取りづらさなどから、自分が会いたい時に医師の診察を受けられないのが問題です。

私立医療保険に加入していれば、不育症治療中も、公立病院よりもずっと自由に診察を受けることが可能です。毎回、担当の医師が変わることもないので、不育症なら、私立医療保険を加入していた方が絶対に安心です。

サイト管理人ララ
流産してしまいましが、私立病院でしっかりと診てもらえたことは、心強かったです

日本での里帰り出産?

では「日本への里帰り出産をしたいか?」と言うと、すでにこちらに生活があるので、子供の保育園や、夫が一緒に里帰りできるのかと考えると、現実的に無理でしょう。

また、日本での出産は、出産時よりも、妊婦時期がスペインよりも魅力的なので、最後の数ヶ月の妊婦生活と出産だけを日本で行っても、あまりベネフィットを享受できないでしょう。

日本の妊婦・出産システム」の方が、メリットとデメリットを比べても、好きではありますが、スペインから逃げ出すほど、スペインでの妊娠や出産が不便な訳ではありません。

日本を選ぶのは私の好みであり、スペインに住んでいる日本人には「スペインの方が良い!」と言う人もいると思います。

郷に入れば郷に従え」現在の生活はスペインにあるので、スペインにお任せします。もし、日本に住んでいたら、日本にお任せします。

私立医療保険への加入前は、かなりスペイン医療システムにイライラしていましたが、私立病院での診察が可能な以上、ストレスはそこまで感じません。

まとめ

スペインの最大のメリットは「費用」です。一方、日本のメリットは「出産までの手厚いサポート」でしょう。

不育症などの妊娠における問題を抱えている場合は「費用」で助かるスペインが経済的にかなり助かります。

健康な妊娠なら、毎回エコーもバッチリ撮影してくれ「出産までの手厚いサポート」が受けられる日本が魅力的です。スペインだと、3回のエコーだけになってしまうので。

日本にもスペインにもメリットとデメリットがあるので、一概にはどちらが良いとは言い切れませんね。

親バカ

余談になりますが、子供が赤ちゃん時期は、日本で過ごしたいです。

これにも、メリット・デメリットがもちろんありますが、私の大きな理由は「日本の方が、子供を可愛いと言ってくれる人が多い」と言う親バカな理由です(笑)

日本にいた時は、電車などで、しょっちゅう「わ!可愛い!」「こんなに可愛い赤ちゃん見たことない」「お目々が大きい」など言ってくださる方がいたのですが、スペインでは少なくて、、、。

日本では、うちの子はハーフなので少し目立つのですが、スペインだと埋もれちゃうんですよね。日本では大きなお目々も、こちらの子はみんなお目々が大きいので。

サイト管理人ララ
可愛いと言われるとやっぱり嬉しい💙親バカ! 

コメント

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