「犬を買う(飼う)前に、知って欲しいこと。パピーミル(子犬工場)悲しい現実」にて、私は犬を飼うと決めた時、なぜ、最初から動物愛護団体から引き取り、里親になることを決めていたかを説明しました。
その理由は、第一に「パピーミルなどの悪徳なペット売買ビジネスに加担することによって悲しいワンコを増やしたいくない」。
そして、今、現実に「暖かい家を必要としている、たくさんのワンコが存在している」からです。期限がくれば、保健所で処理されてしまう犬さえも多くいます。
それでは、実際に私は、7歳チワワ、捨て犬の里親となりましたが、その過程にて気がついた里親システムの問題点や、良い点と悪い点を含めた実体験を説明したいと思います。
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里親になる道は厳しい
「暖かい家を必要としている、たくさんのワンコが存在している」ことは事実です。ただし、実際に里親になろうとしてみたところ、意外にも里親になるのが難しかったのです。
若くて健康な犬は人気が高く、かなり競争率が高いです。
吠え癖が強い犬や、病気持ち、老犬を引き取るのは、かなり勇気がいることです。
特に、これから初めて犬を飼おうと思っている方の場合、動物保護の目的だけではなく「犬を飼う楽しみ」「犬と築く関係」も味わいたいですよね。
人気がある犬の里親になることは「有名幼稚園や小学校のお受験」のようなものです。家庭環境を重点的に確認されるのです。
次の章にて、保護団体への里親応募の際にされる質問をまとめました。
それを読んでいただくと「家庭環境を重点的に確認される」と言う意味がわかると思います。
里親になろうとした過程で、私は悔しい気持ちで泣いたこともありました。
そして、結局、犬を譲り受けることになった団体のシステムに、不信感を抱いたりもしました。
結局、私は保護団体の譲渡会に参加。
そして保健所の譲渡会に参加するための資格となる講習会に参加。
結局はペットショップの一角に設けてあった保護犬スペースで、ポンチョと出会い引き取ることになったのです。
まずは、「保護団体の譲渡会に参加」した実体験から、お話したいと思います。
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里親になりたい犬を探す
犬を飼う、里親になると決めてから、ウキウキした気持ちで里親探しサイトなどを検索していました。
その時に利用したサイトは「ペットのおうち」と「ジモティ、犬の里親」です。
2つのサイトにて、同じ案件が掲載されていることも多いので、どちらか使いやすいサイトを利用すれば良いと思います。
見た目は「ペットのおうち」がすっきりと綺麗ですが「ジモティ」は、お気に入りをつけた人の数がわかるので、競争率がわかりやすいです。
多くは保護団体による案件の投稿ですが、個人の投稿もあります。
応募フォームの送信
何匹からのワンコに興味があり、まずは、2つの団体にリクエストを送りました。
2つの団体ともに、応募フォームを利用していて、大まかなところでは同じ質問内容でした。
- 希望のワンコの名前
- 住所と名前
- 同居の家族数
- 家族構成と年齢
- 住環境(持ち家や、賃貸など)
- 住まいの広さと間取り
- 居住年数
- ペット可住宅かの有無
- 飼育予定場所(屋内や屋外など)
- 現在、一緒に暮らしている動物
- 過去の飼育経験
- 希望した犬を飼いたいと思った理由
- 犬を飼うことに家族全員が賛成しているか
- 家族にアレルギーの人がいるか
- 犬の留守番時間の平均
- 世話をする人
- お散歩の時間はどれくらい取れるか?
- 旅行の場合、犬をどうするか?
- 避妊去勢手術の同意
- 譲渡条件を順守できるか?
- 譲渡の際に医療費の一部負担に同意できるか?
フォーム送信後のメール
この応募フォームを送付後、その私が応募したワンコを担当するスタッフの方よりお返事を頂きました。
その内容は、私の回答に対する追加の質問と、ワンチャンの追加情報です。
どちらの担当者からも、メールは親切で、保護されたワンコの行き先が幸せになるように、頑張られている姿が伝わりました。
1件目のお返事は、追加情報として「よく吠える犬である」ということでした。
自分たちの住宅環境が、一軒家ではなく、賃貸マンションでありことも考え、後々のトラブルになるといけないので、応募を取り下げました。
私の考えですが、里親になることは、ワンコを助けることになりますが、自分が無理してまで里親になる必要はないと思います。
後からトラブルになる可能性があったり、癖の強い犬を飼うほど自分自身の犬経験値が少ない場合は、犬を飼い続けていくのが難しくなります。
また里親に出すようなことがあっては、犬と飼い主の両者にとって悲しい結果になってしまいます。
もう1件は、これから譲渡会というイベントが用意されていて、そのイベントにて、私が里親を希望しているワンコ、そして他のワンコにも会えるとのことでした。
早速、私はこの譲渡会に参加することを決めたのでした。
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譲渡会に参加する
浅草近くにあるペット用品店と同じビル内で、譲渡会は開催されました。
かなり年季の入ったビル内の会場は、家具など何もない広々したスペースです。
そこには、里親を必要とするワンちゃんが10匹ほど。
その他、保護団体のスタッフさんと、私達のようにワンコに会いに来た里親希望者達が、ちらほらいます。混み合っているのではなく、適度なスペースです。
受付を済ますと、私のメールに担当してくださったスタッフさんが対応、希望していたワンコに案内してくれました。
メールの通り、担当スタッフさんは、とても感じが良く、とても親身です。
現在は、その方のお家で、里親を探す期間中は預かっているそうです。どういう過程で保護されたのか、お散歩の様子や、性格などを教えてくださりました。
本当に親切でしたし、ワンコもシャイなところがありますが、元気で可愛らしいです。
抱っこをさせてもらい、くつろいだ様子で膝に座ってくれるワンコを前に、私の引き取る気持ちは満々です。
スタッフさんは、とても気さくで、どちらかと言うと、私達夫婦に好意を感じているようにも感じました。
外国人が夫だと里親になれない?
その後、スタッフの女性は、その保護団体の代表と言う年配の女性に報告をしに行ったようですが、そこから帰ってきたスタッフさんの態度と声のトーンが変わりました。
先ほどの里親マッチングに協力的な感じから、どちらかと言うと、私達をワンコから引き離す方向に向かうような話になります。
代表の意見が「夫が外国人であるため、私達夫婦が、いつ海外に引っ越してしまうかもわからない。よって、犬のお譲りは難しい」とスタッフさんから、やんわりと伝えられました。
また、他にも同じワンコを希望されている方がいて、私達への譲渡は可能性ゼロとなりました。
それでは「この犬に限らず、全ての犬を、この保護団体からは引き取れないのか」と質問すると「他に希望者がいる場合は、難しいだろう」とのこと。
老犬や病気持ちの犬なら、里親への希望がないことが多いので可能性はあるかもとのことでした。
海外行きの可能性があると、本当に飼い続けられない?
老犬や病気持ちの犬を引き取るのは「海外へ行く可能性がある人よりも、日本で飼い続けられる方の方が良いのでは?」と思います。
それこそ、老犬や病気持ちの場合、長時間の飛行機に乗せるのが心配ではないでしょうか?死んでしまう可能性さえ、あります。
強い矛盾を感じました。
また、いくら日本人家庭だからと言っても、転勤などで引っ越し、国内だけではなく海外の可能性だって十分あります。
バルセロナのペット環境
渡航する国によっては、連れて行くのが難しい場合もあるかもしれませんが、スペインへ連れて行くのは、それほど難しくありません。
むしろ、日本に連れて帰るよりも、出国する方が遥かに簡単です。
それだけではなく、スペインのペットを飼う住宅事情は、日本よりも遥かに良いです。
ほとんどのアパートでは、ペット可能であり、ペットが不可の方が少ないぐらいです。
また、日本よりはずっと広々したサイズのアパートが割安です。
田舎には十分なスペースがあるのは当たり前ですが、バルセロナ市内の公園には、ドッグランを併設している公園も多くなっています。
ペットを囲む住環境は日本よりも、ずっと良くなっているのです。
そういった、私たちの状況をヒアリングすることなく、単純に夫が外国人だからと、取り下げる姿勢に、とても不公平であり、嫌な感じを受けました。
外国人と日本人カップルの、ステレオタイプに型をはめられ、本当の事情を、もっと深く知ろうとしない姿に、悔しさを感じました。
「里親になれない」という結果は、同じだとしても、もう少し、ヒアリングをしてもらいたかったです。
しっかり、私達についてヒアリングをして頂いた上の判断で、私達が適さないと判断された場合は、私も納得がいきます。
ただ、そのヒアリングさえなく「外国人家族=ダメ」という姿に、苛立ち、そして悔しさを感じました。
保護団体(代表者)の冷たい態度
スタッフ女性が、保護団体の代表女性と話している姿を見ていたのですが、その姿からは、暖かい人柄を感じませんでした。
そもそも、私達の前には一度も姿を表すことなく、一度も、話しかけることがなかった代表者。私の目には、組織のボスとして君臨し、偉そうな態度にしか写りません。影の支配者と言ったところでしょうか。
愛護団体代表が心配される理由は、最もだと思います。
私達の住まいや人柄を知らない場合、やはり、応募アンケートで答えた情報だけを元にした場合は、私達の優先順位は下がっていくのも、常識的な考えれば、理解できます。
ただ、一度も話しかけることもなく、裏でコソコソとスタッフを通じて伝えるその態度に、代表者への嫌悪感を感じました。
犬は保護するけれど、人への対応にリスペクトはないのかと、腹立たしさを感じました。
前述の通り、外国人が夫だからリスクが高いと即決するのではなく、一度、私たちへのヒアリングなど、代表者から直接、お話をしてもらいたかったです。
その後、他にも同じワンコを希望されている夫婦がいるということで、私達はワンコと引き剥がされました。
その後、同じスタッフさんとお話ししたいと思い、しばらく会場に残っていましたが、先ほどのスタッフさんが目さえも合わせてくれません。
少し、スタッフさんが、代表の目を気にしているようにも見えました。
私は、もう一度、同じスタッフさんに話そうとしていたのですが、夫に「話したくないんだよと」止められ、会場を後にすることにしました。
会場では、最終的なお返事は後日とのことでしたが、既に代表の意思で、私達はフルイから落とされていた様子でした。
なので、無駄に犬と時間を過ごす機会や、スタッフさんと話す機会を与えて無駄な希望を与えないということなのでしょう。
私の希望するワンコは他の方にお譲りするとしても、保護団体からは、里親になりたいと思う私達をサポートしてくれるような姿勢は、全くありませんでした。
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会場を後にしてから、泣く
会場に出てから、私は嫌な気持ちしか残らず、悔しくて泣いてしまいました。
犬は保護したいけれど、人への対応にリスペクトがない保護団体(代表者?)に、ザワザワした気持ちが残り、怒りすら覚えます。
全ての保護団体が同じような対応ではないと思いますが、私の初めての譲渡会は、嫌な経験となり、他の保護団体が開催する譲渡会などにも行く気が失せてしまいました。
夫が外国人である事実を変えることができません。
おそらく、全ての保護団体が、夫が外国人であるので、私達が海外へ引っ越しする可能性について、難色を示すことでしょう。
全ての保護団体が、今回の保護団体代表のようではないとは思いますが、また同じような扱いを受けて、傷つくのが嫌だったのです。
譲渡会に行き、自分が傷つくとは予想もしていませんでした。
里親活動は続く
里親募集サイトでは、たくさんのワンコが里親を探していて、すぐにでも里親になれるのだと思っていました。
しかし、現実は異なり、私達のように履歴書(応募の際のアンケート)が好ましくないものにとっては、とてもハードルが高く、里親になるのは難しいのが現実でした。
譲渡会の帰り道、なく私に、夫はペットショップで犬を買おうかとも提案され、心が揺らぎました。そうすれば、また保護団体によって傷つくこともありません。
しかし、やはり「できれば里親に」という気持ちがあったので、もう少し里親活動を続けることにしました。
ただし、もう保護団体は今回の譲渡会の経験で嫌になってしまったので、保健所の譲渡会に行くことにしました。
その話は、長いので次回のブログエントリーへ続きます。
電車で2時間かけて、保健所の講習会へ参加してきました。